これを見れば分かる!学部の決め方。~文学部・教育学部・人間科学部編~
今回は文学部、教育学部、人間科学部などについて見ていきたいと思います。
文学部といっても、単に文学を学ぶだけではもちろんありません。
教育学部もただ先生になるための学部でもないです。
人間科学部って何を学ぶところなのかいまいちわかりにくい。
といったことを今回は見ていきましょう。
これだ!といった学問に出会えるきっかけになれば幸いです。
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- 文学:文学を通じて人間の本質を探る
- 外国語学:語学力を基礎に「真の国際人」をめざす
- 史・地理学:時間と空間を軸に人間の営みを探求
- 文化学:「文化」を多角的に研究
- 芸術学:美を追求し、創造する
- 哲・宗教学:「生きること」の根源について考える
- 心理学:心の動きを科学的に研究
- 教育学・教員養成系:教育の本質を学ぶ教育学と教師をめざす教員養成系
- 児童学:子どもの成長と発達を学ぶ
- 人間科学:「人間」を総合的に研究
文学:文学を通じて人間の本質を探る
詩や小説、演劇や映画の脚本、マンガなど、人々が作り上げてきた言葉の文化。
文学はこうした作品を読み、人間の本質を探っていきます。
作品をどう解釈するか、作者が伝えたかったメッセージは何か、
その時代の社会背景や歴史、作品に使われている表現の意味や文法などを研究します。
日本文学系では、
高校で学ぶ『源氏物語』などの古典文学から夏目漱石の小説など近現代文学まで、
様々な時代の作品を学びます。
和歌や俳句、歌詞やアニメ作品について研究することも近年はあります。
扱うジャンルが幅広くなってきています。
外国文学系では、
英米文学、ドイツ文学、フランス文学や中国文学などが研究されています。
いずれも作品をその国の言葉で理解するための語学力も身に付けていきます。
Point!
文学は研究対象が幅広く、作品へのアプローチ方法も多岐にわたります。
そのため大学によって特色は異なってきます。
特に外国文学系では、英米文学を学べる大学は多いが、
その他の地域の文学は学べる大学が限られています。
大学案内などで教授の専門分野やカリキュラムが、
自分の興味・関心のある分野と合っているのかを確認しておくことが大事です。
~先輩たちの声~
身近な作品をテーマに勉強する授業のほかに、
言語学の授業が多く、様々な視点から英語圏について学ぶことが出来ます。
(法政大文学部)
日本文学の深さを体験できます。
昔も今も物語の要素は同じであることに感動しました。
(学習院大文学部)
外国語学:語学力を基礎に「真の国際人」をめざす
コミュニケーションに必要な言葉を学び、
それが使われている国や地域の歴史・文化、政治・経済などへの理解を深めていきます。単に語学力を磨くだけではなく、その国や地域に関する様々なことがらを理解し、
異文化の理解・多文化の共生を目指す学問です。
また、日本語を一つの言語としてとらえて研究する「日本語学」というものもあります。
国際化にともない、外国人に日本語を教える日本語教員養成のカリキュラムを設けている大学も増えてきています。
Point!
大学に設置されている学科としては英語が多く、
中国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語などが続きます。
第二外国語を学ぶ選択肢としてよく耳にしますよね。
大学・学部によって言語の習得に重点を置いているのか、
地域研究に重点を置いているのかが異なりますので、
大学案内などで確認しておきましょう。
また留学を希望するなら大学の留学制度や費用も調べてみましょう。
~「外国語学」と「外国文学」のちがい~
最近では、この2つお学問の垣根は低くなりつつあります。
外国語学は言語学や語学を習得してその国や地域の文化を理解します。
外国文学も文学研究を通じてその国の文化を研究するという方向に変わりつつあるためです。
また、かつては外国語学が外国語の習得と同時に、
その国や地域の諸事情を詳しく学ぶのに対して、
外国文学では文学作品を研究する手段として外国語を学び、
カリキュラム編成や講義内容にも違いがあります。
しかし、最近はどの大学でも英語の習得に力を入れており、
英語圏の外国語学、外国文学では教育内容の差は少なくなりつつあります。
史・地理学:時間と空間を軸に人間の営みを探求
史・地理学は、特定の時代や地域における人間の営みを探求し、
これからの人間社会のあり方やまちづくりを考える学問です。
史学では、古文書や遺跡・文化財といった史料に基づき、
過去の人間社会や人々の暮らしを明らかにします。
政治・経済・文化などの切り口から研究します。
最近では、地域や国家間の関係性に注目し、
包括的に歴史をとらえる試みもあります。
史料の分析が不可欠なため、対象の時代、国や地域における語学力も要求されます。
一方、地理学は、地形や産業が人間の営みに与える影響や
そこから生まれる地域的特性を考察する学問で、
大きく3つの分野に分けられます。
「人文地理学」は歴史や文化、政治・経済の視点から地域の特色を研究します。
「自然地理学」は地形や気候が人間の生活や産業に与える影響を研究します。
「地誌学」は地域ごとの文化や産業などを総合的に研究します。
科目には測量学や製図学、地理情報システムなど理系の要素が強いものも多く、
フィールドワーク(実地調査)も行います。
Point!
史・地理学は、文学部などの文系学部で学べます。
自然地理学は理系学部で開講されてることも多いです。
大学によって得意な研究分野が異なりますので、大学案内等で確認しておきましょう。
~先輩たちの声~
地理学には、地理という一点がかかわっているものすべてを
研究の対象とできる自由さがあり、様々な分野にまたがった授業が行われます。
(立命館大)
文化学:「文化」を多角的に研究
言語、思想、宗教、生活、歴史、芸術、メディアなど、
人間が作り上げてきた文化は国や地域によっても様々です。
こうした多様性を持つ文化を総合的に研究していくのが文化学です。
学科としては、特定の国・地域や文化圏を中心に扱う地域文化系、
異なった地域や文化を比較する比較文化系などがあります。
また最近では語学力・コミュニケーション力を備えた人材を育成する国際文化系の学科が増えています。
Point!
研究領域が幅広いため、
学べる学部・学科も多種多様です。
語学系を中心にカリキュラムを組んだ居る大学もあれば、
人文・社会科学系の科目を中心にカリキュラムを組んでいる大学もあります。
どういう視点から学んでいきたいのかを明確にし、希望に合う大学を探しましょう。
~先輩たちの声~
「文化人類学」では、「そこに暮らす人」のことを研究します。
フィールドワークを通して文化人類学的思考をもって現地の人をみていくのは、
答えがなくておもしろいです。
(東北大)
芸術学:美を追求し、創造する
音、形、言葉など、人間が創り出す芸術的表現について、
理論や技術、歴史を学ぶのが芸術学です。
制作や演奏を中心に学ぶ実技系と、
学問として芸術の本質を研究する理論系に分かれます。
実技系では、美術・音楽・デザインなど、分野ごとにいろいろな学科・コースが設置されています。
美術分野では、絵画・彫刻などについて理論と表現手法を学び、制作に取り組みます。
音楽分野では、声楽・器楽などの個人レッスンやアンサンブル練習をメインに音楽理論の講義などが組み込まれています。
デザイン分野では、グラフィック、ファッション、プロダクト、建築、空間などのコースが開設されています。
そのほか、文芸・演劇・舞台・美術・写真・映像などの表現技術を使って製作する分野もあります。
理論系では、美学・美術史・音楽学など、芸術一般として理論を中心に学びます。
芸術大の理論系学科では、基礎的な実技も学べるところが多いです。
Point!
芸術系学部では専門分野を細分化してる大学がほとんどです。
まずは自分が学びたい分野のコースや専攻を設置している大学を調べてみましょう。
入学の段階でコース・専攻ごとに募集する大学が多く、
定員枠も小さいところが多いので注意が必要です。
デザイン学はデザイン工学科など工学系の学科でも学べます。
また、美学・美術史は文学部などで学べるケースが多いです。
~先輩たちの声~
「美学美術史学」では、美術を歴史的な側面から解釈し、
社会・技術・思想の変遷と関連づけながら学びます。
(名古屋大)
哲・宗教学:「生きること」の根源について考える
「自分とは何か」「存在とは何か」といった、
昔も今も変わらない普遍的な「問い」を探求していくのがこの学問です。
人類と地球との共生の問題や頻発する国際紛争、体外受精、出生前診断や脳死・臓器移植といった生命倫理の問題など、現在でも様々な場面で哲学的な考え方が要求されています。
哲学はヨーロッパの思想を研究する西洋哲学、
インドや中国の思想を中心とする東洋哲学など、
対象とする地域ごとに分かれています。
授業では原書を扱うこともあるので、それを読みこなす力が必要となります。
英語やドイツ語のほか、ギリシャ語、ラテン語、サンスクリット語などの古典語の学習が必要になる場合もあります。
宗教学では、人間にとっての宗教の意義や「拝む」といった宗教的行為の意味、
歴史的な変遷、社会に与えた影響について研究するほか、
仏教、キリスト教、イスラム教など特定の宗教やその教義の研究に重点を置くところもあります。
Point!
哲学、宗教学は文学部や人文学部の哲学科、宗教学科で学ぶことが出来ます。
人文学科や文化学科のなかに専攻として設置されているところも多いです。
個別の宗教については、
神学部、仏教学部または文学部のなかの宗教別に分かれた各学科で、
詳しく学ぶことができます。
~先輩たちの声~
「西洋哲学史」では、デカルトからスピノザ、ライプニッツについての
哲学の通俗的な理解を確認しながら、より深く内実を見ていくことを学びます。
(東京大)
心理学:心の動きを科学的に研究
「あの人は何を考えているのか」「彼はなぜあんな行動をとったのか」など、人間の行動や心の動きを科学的に分析し、心の法則性を導き出すのが心理学です。
人間の情報処理過程を解明する認知心理学、
成長に伴う心の変化を研究する発達心理学などの「基礎心理学」と、
犯罪心理学、産業心理学、教育心理学、カウンセリングや精神分析といった技法を用いる臨床心理学などの「応用心理学」があります。
心理学は実験・観察という実証的な研究方法が特徴です。
大学では各種調査法・検査法の実験や実習を行い、その意義や実施上の問題点などを学びます。
得られたデータをコンピュータで分析し、統計化するための実習もあります。
数学的な要素も強いです。
Point!
心理学は心理学部のほか、文学部、人文学部、人間学部、福祉系学部にある心理学科、人間発達学科、コミュニケーション学科などで学べます。
教育学部にも教育心理学、発達心理学などの学科、コースが設置されています。
臨床心理士や公認心理師の受験資格取得には、指定された科目を修了できる大学院への進学が必要になります。
特に公認心理師は新しい国家資格であるため、目指す大学や大学院のカリキュラムが受験資格に対応するかどうか、よく確認しましょう。
~先輩たちの声~
心理学と一言でいっても取り扱う内容が幅広く、
心理に関する様々な分野の実験をしたり、
心理の資格の歴史や内容を学んだりする授業があります。
(お茶の水女子大)
教育学・教員養成系:教育の本質を学ぶ教育学と教師をめざす教員養成系
教育系は、大きく教育学と教員養成系の2つに分けられます。
教育学は、「教育」を学問として研究します。
教員養成を直接の目的とせず、教育の本質や目的、人間形成とのかかわりについて追及していきます。
哲学や心理学、歴史学、法学、経営学などともかかわりの深い総合科学といえます。
教員養成系学部の「教員養成課程」は、教員免許の取得が卒業要件となっています。
教員養成課程は、1・2年次に教養科目や教育の基礎を学び、3年次以降に子どもの発達過程や免許を取得する教科の指導法など、教師に必要な知識や技術を修得します。
教育実習は3年次以降に行われることが多いですが、最近は教育実習関連科目として1年次から実習や支援を行う大学も増えています。
一方、教員養成系学部の中には、教員免許の取得を義務付けず、
幅広い教養を持つ人材の育成を目的とする「総合科学過程」もあり、
国際・地域・芸術・スポーツなどの専攻・コースで、
学際的な研究が展開されています。
近年、総合科学過程は縮小傾向にありますが、
教員をサポートする人材の養成を目的とした過程ができるなど、
新たな動きもみられます。
Point!
教育学は文学部や教育学部で学べます。このうち、教育学部で学べるのは、
東京大や京都大などの一部の大学に限られます。
教員免許を取得したい場合は、教職のための単位を別途取得すれば中学・高校の教員免許をとることができます。
教員養成系の教育学部は国立大に多く設置されていますが、
近年では私立大でも増えてきています。
教員採用数は県や市など各自治体によって異なるので、自分が働きたい地域の採用数や志望大学の採用実績にも目を配っておいた方がよいでしょう。
~先輩たちの声~
「国語表現論」授業では音楽・ゲーム・本・漫画・ドラマなど様々なサブカルチャーと国語をミックスした授業が展開されます。
国語化教育をいかに楽しく行うか、いかに生徒に国語を楽しいと思わせるかを意識した授業なので将来教職をめざしている人にとても役立ちます。
(早稲田大教育学部)
情報教育を各科目にどう取り入れていくかについて議論をしたり、
校務の情報化を目指して、実践を交えながらシステムを作ったりする授業があります。
児童学:子どもの成長と発達を学ぶ
児童学は、幼児や児童の成長や発達を様々な角度から学び、保育や教育に役立てることを目指します。
「発達・心理」「教育・保育」「福祉」「保健」「文化」の5つを柱に、
子どもを取り巻く環境への理解を深める。
大学では主要分野の基礎を学び、専攻に応じた科目を学んでいきます。
実際に子どもと触れ合う幼稚園や保育園での実習や、
音楽・造形などの演習もカリキュラムに組み込まれており、
幼稚園教諭、保育士、小学校教諭の免許・資格を取得することが出来ます。
Point!
児童学の多くは、家政学部や生活科学部のほか、
文学部や教員養成系学部にある幼稚園教諭・幼児教育などの課程や、
「子ども」と名のつく学部・学科で学ぶことができます。
幼稚園教諭、保育士、小学校教諭をめざす人は、
大学により取得できる免許・資格が異なるので必ず調べておきましょう。
~先輩たちの声~
小学校へ行って、子どもたちとふれあうことができます。
また、授業研究や教材研究の場に参加することもできるのでおもしろいです。
(横浜国立大教育学部)
人間科学:「人間」を総合的に研究
多様な側面をもつ人間を、既存の枠組みにとらわれず、さまざまな角度から総合的・科学的に研究する学問が人間科学です。
人間を研究対象とするため、研究テーマも手法もさまざまです。
心理学、社会学、教育学を中心に、
哲学、文化学、生物学、生命科学、健康科学など多岐にわたります。
人間科学は多様な学問が結びついてできたため、学際色が強く、
人間への関心とバランスの取れた知識・感性、幅広い視野が必要とされます。
大学では、「人間」について何を、どのように研究するかによって、
専攻や講座が分かれています。
学際的分野という人間科学の性質から、どの専攻に進んでも他専攻の授業を履修できるように柔軟なカリキュラムとなっているところが多いです。
Point!
人間科学は人間科学科、人間関係学科、人間環境学科、行動科学科などで学べます。
近年誕生した学科が多く、大学によって扱う問題のテーマや手法もさまざまです。
大学案内などをよく読んで各大学の特徴を押さえておきましょう。
~先輩たちの声~
学際的な学部のため研究対象が幅広いのが特徴です。
映像や心霊写真から人間の思想を哲学する授業がおもしろいです。
(大阪大人間科学部)
幅広い学問領域の授業があるので、自分の興味にあわせて授業を取ることができ、
文系理系を問わずさまざまな領域の知識を身に付けることができます。
(早稲田大人間科学部)
いかがでしたでしょうか。
文学部の中でも、さまざまな学問に細分化されていましたね。
また各大学によっても色合いが異なってきますので、
今回の内容を踏まえ、志望する大学を再度チェックしてみるようにしてみてください。
大事なお子様の将来のために、少しでもお役に立てれば幸いです。
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