【2020年最新情報】いまさら聞けない。大学新入試で何が変わるの?
2021年度の大学入試から試験が変わります。
でも「いったい何が変わるの?」「どうせそんなに変わらないのでは?」
いまさら聞こうにも聞けない大学新入試について見てみましょう。
具体的な変更点として、大きく3つあります。
1つ目は
センター試験の後継として、「大学入学共通テスト」が始まります。
問題の出題方法が工夫され、今までのセンター試験以上に、
「思考力」「判断力」「表現力」が問われるようになります。
2つ目は
英語は4技能の評価が推進されます。
英語の4技能とは
「読む」「聞く」「話す」「書く」のことを指します。
各大学の入試で、民間の資格・検定試験の結果を活用する動きが広がっています。
3つ目は
個別試験のルールが変わります。
記述式の試験が増えたり、調査書・志望理由書が評価に活用されます。
総合型選抜(旧:AO入試)・学校推薦型選抜(旧:指定校推薦入試)でも学力のウェイトが上がります。
当日の試験だけではなく、普段の学習も入試の評価対象になります。
それでは、次に入試情報を見ていきましょう。
そもそも「なぜ?新しい入試制度に変わるのか?」と見てみましょう。
理由として、
「情報技術の急速な発達」「社会のあり方や職業の変化」「グローバル化」「少子高齢化に伴う対応」など、目まぐるしく変化する現代社会において、
これらに対応するために、自ら問題を発見し、他者と協力して解決していくための資質や能力を育むことが必要であるからです。
と硬く、書いていますが、簡単に説明すると、
今まで暗記は強かったが、自分の考え、意見を言える者が少なかった。
世界に目を向けたときに、今後は自分で考えて、自分の意見をはっきりと言える人材を作りたい。といった所でしょう。
英語の資格・検定試験の活用に関してですが、
当初、大学入試センターでは、資格・検定試験の成績を管理する「大学入試英語成績提供システム」の運用が予定されていましたが、
2019年11月に導入が見送りになりました。
「都市部の生徒」と「離島や公共交通機関が整っていない生徒」とを比べた際に、
ただ、試験を受けるだけでも公平性が損なわれているなどの意見が高校生主体に運動があり、先送りなりました。
これは私もまったく同意見です。
話は戻して、試験の導入は見送られましたが、
「英語の4技能評価の推進」の方向性に関しては変更がありません。
英語の資格・検定試験を入試に活用している大学もあり、その活用方法は大学によってや同じ大学でも入試方式により異なるケースもあります。
主な活用方法は以下のようなものとなります。
・出願資格として利用する
・成績に応じて個別試験の英語などの成績に加点する
・個別試験の英語の試験を免除する
利用可能な資格・検定試験の種類、受付期間なども大学によって異なります。
大学入試で英語の資格・検定試験の利用を検定している場合は、
よく大学の入試要項で条件を確認しておきましょう。
大学入学共通テスト
2021年度入試からスタート
2020年度に行われる入試(2021年度入試←2021年4月に入学予定)からセンター試験から「大学入学共通テスト」(以下共通テスト)に変わります。
共通テストは、センター試験と同様に1月中旬の土日に実施されます。
今年度に限りコロナの影響で、
第一日程として2021年1月16日、17日
第二日程として2021年1月30日、31日
のどちらか選択することができます。(既卒生は第一日程のみ)
試験科目は国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科から合計30科目が出題されます。
合否判定に用いる教科・科目は大学ごとに異なるので、
自分の志望校にあわせて必要な科目を受験することになります。
国公立大学の一般選抜は原則共通テストを利用するほか、
私立大学でも多くの大学が共通テストを利用する入試方式を設ける見込みです。
思考力・判断力・表現力をより重視
共通テストは「知識・技能」だけではなく、
大学入学段階で求められる「思考力・判断力・表現力」を一層重視するという考えがベースにあります。
問題作成の方針や出題形式を含めて見直しが進められています。
問題作成の方向性として、知識の理解を問う問題や、
思考力・判断力・表現力を活用して解く問題を一層重視するほか、
授業において学習する場面や社会生活や、
日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面など
学習過程を意識した場面設定を重視するとしています。
また文章や図・資料など複数の情報を組み合わせて考えさせる問題も出題される見込みです。
なお、導入が予定されていた記述式問題は見送られました。
解答方式はマーク式のみとなりますが、
当てはまる選択肢をすべて選択する問題や解答なしの選択肢を選ばせる問題など新しい形式のものが出題される可能性があります。
これまで以上に、問題内容を正確に理解して注意深く問題を解いていくことが求められます。問いかけの角度は変わってもそれぞれの教科の基礎をきちんと身に付けていることが大切であることには変わりません。普段からしっかりと授業の内容を理解するように心がける必要があります。
国公立大一般選抜
共通テストと二次試験で合否が決まる
国公立大の一般選抜は、一次試験的な役割を果たします。
「共通テスト」の得点と、大学別に実施される「二次(個別)試験」の得点の合計で合否判定が行われます。
共通テスト実施後に公表される解答・配点で自己採点を行った後に
志望する大学に出願します。
共通テストの結果によっては、出願校の変更も考えなければならないこともあります。
国公立大入試の突破のカギはまずは共通テストで高得点を取ることと言えるでしょう。
注意したいのは、共通テストが終わってから出願締切までの時間が短いことです。
出願時に慌ててしまわないように事前にいくつか候補をあげておくことが大事です。
候補となる大学の情報はきちんと押さえておく必要があります。
共通テストの約一か月後の2月下旬から、各大学で二次試験が行われます。
二次試験は1つの大学・学部・学科の定員を
「前期日程」「後期日程」の2つの日程に振り分け、
それぞれの日程ごとに選抜する「分離・分割方式」で実施されます。
同じ大学を前期と後期の2階受験することも、それぞれの日程で異なる大学に出願することもできます。大半の学生は後者が多いですね。
また一部公立大では前期・後期とは別の「中期日程」を実施する大学もあります。
これらを合わせると最大3校の国公立大の受験が可能です。
ただし、前期日程で合格した大学に入学手続きを行うと、
中期・後期日程に出願した大学は合格対象から外されてしまいます。
そのため、第一志望校は前期日程で受験するのが一般的です。
また定員配分も全日程が全体の8割を占め、圧倒的に多くなっています。
「令和2年度国公立大学入学者選抜確定志願状況」(文部科学省)より
特に難関国立大や医学科では後期日程を実施していない大学も多いです。
国公立大入試は実質的には前期日程を中心とした仕組みとなっており、
後期日程は二期募集的な意味合いが強いことをイメージしておくとよいでしょう。
国公立大志望者は7科目の受験が基本
国公立大では共通テストで5教科以上を課すのが主流です。
特に国立大については、原則5(6)教科7科目を課すこととしています。
「5(6)教科7科目」の構成は、大別すると次に3つのパターンに分けられます。
【文型】
外国語、国語、地歴公民2、数学理科から3(数学2必須のパターンを含む)
【理型】
外国語、数学2、国語、理科2、地歴公民1
【選択型】
外国語・国語必須、数学・理科、地歴公民から5教科(数2必須のパターンを含む)
文系学部では、地歴と公民から2科目必須の文型、
理系学部では、理科2科目必須の理型が一般的です。
文系と理系が混在する教育系は選択型の割合が大きいです。
学科や日程によっては、少数教科で受験可能となる大学もありますが、
受験科目を絞れば負担が減るかわりに、志望校の選択幅がぐっと狭まってしまいます。
もし、共通テストで納得のいく点数に届かなかった場合、
融通が利かなくなる可能性が高いです。
国公立大学志望者は5(6)教科7科目に対応した学習することを強くすすめます。
前期日程は学科試験 後期日程は小論文や面接も
二次試験の入試科目も共通テスト同様に大学によって異なります。
また同じ大学でも学部や学科、日程により異なるケースがほとんどです。
前期日程の入試科目は、記述・論述式の学科試験が多く、
一般的には文系学部で「英語、数学、国語、地歴・公民」から2~3教科、
理系学部では「英語・数学・理科」から2~3教科を課します。
なお、東京大学、京都大学など一部の難関大では4教科を課すところもあります。
一方、後期日程では教科数が1~2教科と少ないケースや、
総合問題、小論文や面接などで選抜を行うところが多いです。
二次試験を行わず共通テストの得点のみで合否を決定する大学もあります。
配点も大学によって様々です。
多いのは、専攻する学問に関連する教科の配点を高くするケースです。
共通テストと二次試験の配点比率も大学によってかなりの差があります。
入試科目や重視される科目によって必要となる受験対策も違ってきます。
まずは、志望校の入試科目や配点、共通テストと二次試験の配点比率をきちんと押さえることが受験対策の第一歩となります。
なお、一般選抜においても、主体性などを評価する観点から、調査書や志願者本人が記載する資料、面接などの活用が示されています。
受験生本人が記載する資料の活用については、
すでに教育系、医療系、新設学部・学科等を中心に、
志望理由書等の提出を求める大学が増えていますが、
今後さらに拡大はしそうです。
私立大一般選抜
選抜方法は様々。自分に合った入試方法を選ぼう!
私立大は国公立大のように統一した日程で入試を行わないため、
試験日が重ならなければ何校でも受験することができます。
入試の実施方法も大学により様々です。
文系学部は「英語、国語、地歴・公民または数学」から3教科、
理系学部は「英語、数学、理科」の3教科を課すパターンが一般的ですが、
各大学、学部の特性に応じて様々な科目・配点の入試方式を実施しているところも多いです。
一つの学部・学科で複数の入試方式を持つ大学も多く、
受験生は自分に合った入試方式を選択することができます。
入試科目が1~2科目と少ない方式や、特定科目の配点比率を高くする方式は、
科目を絞って勉強することができるうえ、得意科目を活かすことができる。
このほか、近年増加しているのは英語資格・検定試験(英検・TOEICなど)の成績を出願資格とする方式や、得点換算して利用する方式です。
また多くの大学では共通テストを利用する入試方式を設ける見込みです。
3教科程度を課すところが多そうです。
とはいえ、メインをあくまで3教科型となります。
方式ごとの募集人員も3教科型入試を最も多くしている大学が多いです。
3教科型入試の対策を基本としたうえで、
他の入試方式は自分に適した方式があれば上手に利用するとよいでしょう。
共通テストは私立大でも利用できる
共通テストを利用する入試方式を設ける大学も多いです。
共通テスト利用方式では、大学独自の試験を課さずに、
共通テストの結果だけで合否を決定するケースが一般的です。
共通テストの必要科目数は、国公立大との併願者が多い一部の難関大で4教科以上としているところもありますが、多くは3教科以下です。
1つの大学で利用教科数や日程の異なる方式を複数実施しているところも多いです。
共通テスト利用方式は大学独自の試験が課されなければ受験に出かける手間もなく、
メリットは多いです。
国公立大志望者にとっては私立大の受験対策をしなくても併願でき、
私立大専願者も受験のチャンスが広がるので、
共通テストを視野に入れた受験対策をたてるようにしたいところです。
出願時期は共通テスト前に締切る事前出願と試験後に締切る事後出願の2通りがあります。せっかく共通テストで高得点が取れたのに、志望校の出願締切日が過ぎていたというミスがないように募集要項などで出願締切日も忘れずにチェックしましょう。
試験日自由選択制度や地方試験会場も
私立大一般選抜の試験日は主に1月下旬から2月中旬に設定されています。
この時期は同じ日に全国各地で入試が行われるため、
志望大学の入試日が重なってしまう場合もあります。
この問題を解消するため取り入れられているのが「試験日自由選択制」です。
2日以上設定された試験日から、
受験生が都合のよい日を選んで受験することができます。
大学キャンパスの所在地以外で試験を実施する大学も多いです。
全国の主要都市に会場を設置している大学もあり、
直接大学に行かなくても、自宅の近くで受験することが出来る機会が増えています。
交通費や宿泊費を節約できるだけでなく、
時間的・体力的な負担も減らすことが出来ます。
このほか、ほとんどの大学では2月下旬から3月にかけて、
「後期試験」「二次試験」を実施しています。
前期試験の合格発表が終了してから出願することができるため、
「敗者復活」的な意味合いが強いです。
ただし、募集人員が少なく、高倍率となることも珍しくありません。
このように新入試制度が変わることで、
試験自体にも大きな変化があり、
また国公立大と私立大とでもいろいろと異なりがあったことが、
お分かりになったかと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
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